2013年08月28日

フランツ・ペーター・シューベルト(Franz Peter Schubert)さんについて

先日所属オケでシューベルトオンリーの演奏会がありました。
そのプログラム原稿、頑張って作文したので紹介させてください。8000字以上をムリヤリ縮めたので体言止めが多く日本語的にヘンかもしれません。

ついでにグレイトの演奏も一部こっそり

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"歌曲の王"として31年の短い生涯で1000以上の作品を残した大作曲家シューベルトの足跡をたどります。

> 教師の息子としてエリートコース歩むはずが…
1797年1月31日ウィーン近郊生まれ。モーツァルトの死後6年、ピアノ即興演奏で名声を博しつつも難聴に悩んでいたベートーヴェンは26歳でした。

幼少より神童ぶりを発揮し11歳で宮廷礼拝堂聖歌隊に選抜されます。モーツァルトのライバルとしても有名なサリエリが運営する組織で、併せてコンヴィクト(寄宿制神学校)に合格、寮に移り住み歴史、文学、数学と音楽教育を受けます。音楽の才は瞬く間に話題となり「五線紙をあげると信じられないほど沢山使った」など伝説は数知れず。しかし音楽以外がおろそかになった挙句、数学で落第点をとり退学。この辺りは現代のどこぞの学生を彷彿とさせます。その後、父が運営する学校を手伝いつつ18歳で『野ばら』『魔王』を作曲。歌手フォーグルと知り合い、彼がレパートリーとしたことで名声は徐々に高まりました。シューベルトはフォーグルを信頼し新作を毎日持参しますが、ある日フォーグルが不在だったので新譜を置いて帰ったのですが、その事を忘れてしまい、後日彼が歌う自作を「悪くない。誰の作曲ですか?」と尋ねたというお茶目な一面もあったそうですよ。

>シューベルトのアラカルト
夭折したこともあり、没後友人達の回想が多く残されています。
恋愛:1818年(21歳)エステルハージ伯爵の令嬢カロリーネのピアノ教師に就き一目惚れ、彼女と一緒に演奏するためせっせと連弾用ピアノ曲を作りますが13歳の生徒と教師、身分差もあり片想いに終わります。初恋は幼馴染でソプラノ名手だったテレーゼ。こちらは両想いでしたが一向に定職に就かない彼を待ちきれずパン屋に嫁いでしまいました。シューベルトは生涯独身でした。
容姿と性格:プログラム表紙の肖像画は、最もシューベルトの特徴を捉えているそうです。小柄でぽっちゃり、眼鏡の奥の柔和な目が印象的とのこと。性格は超内気。歌曲の演奏会が好評で、本人のピアノ伴奏でアンコールを! となったのに固辞し譜めくりしながらニコニコ。歌劇『双子の兄弟』が終演し歓声で呼ばれたが一向に舞台に降りず、結局演出家が「彼は劇場に来ていない」と告げざるを得なかった、等々。
楽器:少年時は美しいボーイソプラノ、変声後は「テノールとバリトン中間の柔らかく癖のない歌声、演奏は自然で内面的」。ピアノやヴァイオリンも相当の腕前でしたがヴィルティオーゾではなく、自作「魔王」のピアノ譜の三連符は弾けなかったとか。因みに、本日演奏の難所をあきらめる言い訳ではありません。

>作曲家としての名声を得るも病魔に冒される
1821年(24歳)友人が開催したサロンは"シューベルティアーデ"と呼ばれ大人気。貴族達は予めシューベルトに自作詩を送り、音楽付きで演奏されることを喜びました。25年には一流音楽家としてのお墨付きであるウィーン楽友協会補欠理事に推薦されるなど、順風満帆にみえた音楽家人生に暗い影を落とすのが健康問題でした。22年末に梅毒を発病。その後入退院を繰り返す日々が続きますが、結局ベートーヴェンの死後僅か1年で病魔に倒れてしまいます。死因は諸説ありますが病気の治療に用いた水銀中毒死が有力です。いずれにしろ1828年11月19日その短い生涯を終えました。死の前日、兄フェルディナンド家でシューベルトは何度もベッドから抜けだそうとします。兄がベッドでお休み、となだめると「ここにはベートーヴェンが眠っていない」と。この言葉を兄は心に留めており、指定墓地で葬儀が執り行われた後ヴェーリング墓地のベートーヴェンが眠る横に埋葬し直されました。

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本日演奏するのは、一体交響曲第何番なのでしょう? シューベルトには『未完成』以外の未完成交響曲が5つもあり(!)後年ブラームスや、指揮者のワインガルトナーが補作し一部出版されたことなどから、どの曲を何番と呼ぶのか、様々なケースが生まれたのです。本稿は現解釈でポピュラーな7番&8番としています。

交響曲第7番 ロ短調D759『未完成』
作曲時期:1822年または23年 
初演:1865年12月17日(ウィーン音楽協会定期演奏会にてヨハン・ヘルベック指揮)

シュタイエルマルク音楽協会の重鎮だった親友ヒュッテンブレンナーによって1823年名誉会員に推薦してもらったシューベルトがお礼に進呈したのが『未完成』です。自身の名声が高まると共に大作曲家ベートーヴェンを意識し始め"交響曲スランプ状態"に陥っていた彼ですが、交響曲はオペラと並ぶ作曲家のステイタス、3楽章の20小節までで途切れているものの頑張って進呈しました。
 頓挫の理由は諸説あり「1、2楽章で十分芸術的、それ以上は蛇足」「閃いた音楽をそのまま連ねる作風なので気持ちが途切れると完成不可能」など…。 面白いのが、友人に「3拍子の楽章が3つ続くの?」 と言われて恥ずかしくなり3楽章以降を取り下げた説。内向的な性格ですから案外真相はこんなところにあったりして。結局この総譜は死後37年して発見初演されて大成功をおさめ、未完成にも関わらず、彼の交響曲を代表する作品になりました。

第1楽章:Allegro moderato
3/4拍子。低弦の暗示に富んだ旋律で始まりヴァイオリンの16分音符にオーボエとクラリネットがロマンティックな第1主題を奏でます。チェロの長調の儚い第2主題が現れるもすぐに運命の主題ようなモチーフに打ち消されます。展開部は冒頭旋律が組み合わされ盛り上がりますが、最後は淋しいロ短調和音で終わります。

第2楽章:Andante con moto
3/8拍子、緩徐楽章。ホルン、ファゴットの和音とコントラバスのピチカートの上に、純美な第1主題がヴァイオリンに現れます。続いて第2主題が弦楽器とクラリネットとオーボエの息の長いフレーズによって奏でられ、その後も溢れんばかりの美しい和音と転調が巧みに絡み合い展開します。余韻を残しながら天に昇るかのように、消え入るように終わります。

交響曲第8番 ハ長調D944『ザ・グレイト』
作曲時期:1825年3月〜26年10月
初演:1839年3月21日(ライプツィヒにてメンデルスゾーン指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)

シューマンの貢献で世に知られるようになった交響曲です。歌曲の研究のためシューマンは1839年にシューベルト宅を訪れます。兄フェルディナントは弟の作曲机を死後そのまま保管しており、シューマンはそこで長大な総譜をみて驚愕、これを盟友メンデルスゾーンに送り演奏したいと懇願し許可を取り付けました。シューベルトは25年にウィーン楽友協会補欠理事推挙の返礼としてこの交響曲を提出したものの、希望していた公開演奏は"演奏困難である"との理由で却下され、その後シューマンに再発見されるまで存在が忘れられていたのです。

第1楽章 Andante. Allegro ma non troppo
ハ長調、2/2拍子。ホルンのユニゾンで厳かに始まり木管に繋がります。主部はテンポがあがり第1主題は付点が特徴的な弾むリズム、木管の三連符を伴いながら発展します。第2主題は木管楽器による物悲しい主題。転調し上向するような第3主題はトロンボーンが演奏します。展開部は第1、第2主題が様々なバリエーションで繰り返され再現部となります。コーダでは序奏を堂々と再現して結ばれます。

第2楽章 Andante con moto
イ短調、2/4拍子、ABABAの形式となっている緩徐楽章。A主題は森の小路をひとりで歩くような雰囲気。低弦伴奏の上にオーボエがリートのような魅力的なメロディを、続いて弦と管の掛け合いのような部分があります。Bはヘ長調でレガート主体の下降するような美しいメロディが低音楽器の導入に続き第2ヴァイオリンにより歌われます。中間部のホルンと弦の対話のあと、再びAとBが微妙に味付けを変えながら出てきます。最後はAに戻り静かに終わります。

第3楽章 Scherzo. Allegro vivace
ハ長調、3/4拍子のスケルツォ。後のブルックナーを思わせるような息せき切るような主部の旋律と、シューベルトらしい雄大さ溢れる中間部の対照が効果的です。

第4楽章 Finale. Allegro vivace
ハ長調、2/4拍子。1155小節にも及ぶ長大なフィナーレは「タッタター」の第1主題を起点にどんどん展開。付点リズムと三連符、激しい転調は息を付かせません。ト長調の抒情的な第2主題は木管によって朗々と歌われ、劇的な展開の後、更に変ホ長調で真の展開部をクラリネットによって開始されます。この旋律はベートーヴェン『第九』の引用とも言われており大作曲家へのオマージュと考えられます。やや変型された再現部の後、コーダでは全ての主題が組合わさり堂々たる終結を迎えます。

参考資料:「シューベルト」村田千尋著-音楽之友社 他





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posted by ねむねむ at 15:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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